野菜800gまでの道のり~レベル3.5~ 

自己紹介


こんにちは、ベジネコです!今日は私が毎日1kgの野菜を食べながら実践している、タンパク質摂取の最適化についてお話しします。

前回、「野菜800gまでの道のり~レベル3~」でタンパク質について、お話ししたかと思うんですが、もう少し詳しく説明しようと思いまして、「野菜800gまでの道のり~レベル3.5~」という題名にしました!

タンパク質は筋肉の維持や免疫機能の向上に欠かせない栄養素ですが、実は「どれくらい摂るべきか」については最新の研究で従来の常識が更新されています。

厚生労働省が推奨するタンパク質摂取量

まず基本となる公式な推奨量から見ていきましょう。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人の推奨量は以下のようになっています:

  • 18〜64歳の男性:60g/日(体重60kgの場合で約1.0g/kg)
  • 18〜64歳の女性:50g/日(体重50kgの場合で約1.0g/kg)
  • 65歳以上の男性:60g/日
  • 65歳以上の女性:50g/日

これは健康維持に必要な最低限の量と考えられていますが、最新の研究ではもっと多くのタンパク質が必要だという証拠が増えています。

最新研究が示すタンパク質の適正摂取量

運動しない人でも1.2〜1.8g/kg必要?

従来は運動しない一般の人には1.0g/kgで十分とされていましたが、2020年に『Nutrients』誌に掲載された研究では、筋肉量の維持や代謝機能の最適化のためには、運動習慣がない人でも体重1kgあたり1.2〜1.8gのタンパク質が理想的であることが示されています。

特に40歳を過ぎると、筋肉の合成効率が低下するため、若い頃より多めのタンパク質摂取が推奨されるようになりました。この研究では、高齢者が筋肉量を維持するためには最低でも1.2g/kgのタンパク質が必要だと結論づけています。

運動する人は1.4〜2.2g/kg

定期的に運動する人、特に筋力トレーニングを行う人は、筋肉の修復と成長のためにさらに多くのタンパク質が必要です。『International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism』に掲載された2018年のメタ分析によると、レジスタンストレーニングを行うアスリートは体重1kgあたり1.4〜2.2gのタンパク質を摂取することで最適な筋肉合成が促進されることがわかりました。

興味深いことに、この研究では1日の総摂取量だけでなく、タンパク質を1日に均等に分けて摂取することの重要性も強調されています。例えば体重70kgの人なら、1日に98〜154gのタンパク質を3〜4回に分けて摂取するのが理想的です。

体重を減らしたい場合は1.2〜1.5g/kg

ダイエット中の方にとって特に重要なのが、適切なタンパク質摂取です。2020年の『Frontiers in Nutrition』に掲載された研究では、カロリー制限中に体重1kgあたり1.2〜1.5gのタンパク質を摂取することで、筋肉量を維持しながら脂肪を効率的に減らせることが示されています。

実際、カロリー制限中は筋肉が分解されるリスクが高まるため、十分なタンパク質摂取が重要になります。この研究では、タンパク質摂取量が少ないダイエットでは減量した体重の約25%が筋肉だったのに対し、高タンパク質ダイエットでは筋肉の損失がわずか10%以下に抑えられたと報告しています。

野菜1kgとタンパク質の両立方法

私が毎日実践している野菜1kg摂取法は、実はタンパク質摂取とも相性抜群です。例えば:

  1. 豆類と野菜の組み合わせ: 業務スーパーのアブラナ科野菜500gに枝豆や大豆製品を加えることで、植物性タンパク質を効率的に摂取できます。
  2. 温野菜とプロテインソース: めんどくさがりな私は冷凍野菜を多用しますが、その際にゆで卵や鶏むね肉をトッピングすることで、タンパク質も一緒に摂れます。
  3. 低温調理サツマイモと高タンパク質食材: 私の糖質源である低温調理サツマイモに、ギリシャヨーグルトやコテージチーズを添えることで、栄養バランスが格段に向上します!

今は冷凍野菜をフードプロセッサーで撹拌して、生卵やら鯖缶やらいろんな体にいいものをぐちゃぐちゃに混ぜるというカオスなことをしておりますが、これはいつか話そうかなと思っております(笑)


実践的なアドバイス

タンパク質摂取量を増やすのは簡単なことではありません。特に野菜中心の食生活を送る方には難しく感じるかもしれません。そこで認知行動療法的アプローチを取り入れてみましょう:

  1. 目標設定: まずは現在の摂取量を把握し、理想の摂取量までの差を埋めるための現実的な目標を設定します。
  2. 障害の特定: タンパク質摂取を増やせない理由(時間がない、調理が面倒など)を特定します。
  3. 解決策の実施: 例えば、週末に高タンパク質の作り置きをする、プロテインパウダーを活用するなど、自分に合った解決策を見つけます。

最後に、無理せず少しずつ習慣化することが大切です。私も最初から1kgの野菜を食べられたわけではありません。同様に、タンパク質摂取も徐々に増やしていくことで、持続可能な健康習慣になります。

皆さんも自分の生活スタイルに合わせて、タンパク質と野菜をバランスよく摂取する方法を見つけてくださいね!

参考文献

  1. 厚生労働省. (2020). 日本人の食事摂取基準(2020年版). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
  2. Stokes, T., Hector, A. J., Morton, R. W., McGlory, C., & Phillips, S. M. (2018). Recent Perspectives Regarding the Role of Dietary Protein for the Promotion of Muscle Hypertrophy with Resistance Exercise Training. Nutrients, 10(2), 180. https://doi.org/10.3390/nu10020180
  3. Jäger, R., Kerksick, C. M., Campbell, B. I., et al. (2017). International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 14, 20. https://doi.org/10.1186/s12970-017-0177-8
  4. Helms, E. R., Zinn, C., Rowlands, D. S., & Brown, S. R. (2014). A systematic review of dietary protein during caloric restriction in resistance trained lean athletes: a case for higher intakes. International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 24(2), 127-138. https://doi.org/10.1123/ijsnem.2013-0054
  5. Longland, T. M., Oikawa, S. Y., Mitchell, C. J., Devries, M. C., & Phillips, S. M. (2016). Higher compared with lower dietary protein during an energy deficit combined with intense exercise promotes greater lean mass gain and fat mass loss: a randomized trial. The American Journal of Clinical Nutrition, 103(3), 738-746. https://doi.org/10.3945/ajcn.115.119339